田舎町ドンハのバスターミナルの切符売り場に行き、
フエ行きを12000ドン(¥84)の切符を買おうとしたが、売ってくれない。
直接車掌から買ってくれと言っている様だ。
そんな事は分っている。
昨日の夕方、下見に来た時、車掌が5万ドンとぶっ掛けていたから、
正規価格で売ってくれと言っているのだ。
そんな事私に言われても困ります。
売れないものは売れません。
外人には売らない事になっています。 ←全部推測(下も)
「わぁった! もうええ!」
此処からフエまでは100km程ダナンまでは200km。
フエが有って、その向こうにダナンがあるのは、頭に叩き込んであります。
フロントガラスにDANANGと書かれているのを確かめてから。
「おっちゃん、フエまで行きたいやねんけどなんぼ」
『タムムォイギン(8万ドン)≒¥560』
「アホ言うな、そこの切符売り場にムォイハイギン(12000ドン)と書いてあるやんけ」
『タムムォイギン(8万ドン)≒¥560』
「なんぼ外人でもあんまりやないか」
『タムムォイギン(8万ドン)≒¥560』
「そうか、わぁった!もうええわ!目の前の国道で長距離バス拾うから」
『タムムォイギン(8万ドン)≒¥560』
「もうええ言うてるやろ」
怒って背を向け2~3m歩いた。
『おっさん、ナムムイギン(5万ドン)でええわ』
「高すぎると言うとんじゃ!」
『ほな、ボンムォイギン(4万ドン)にしたる』
国道を走る長距離バスを停めてフエまで乗せて貰える自信はない。
同じ様に吹っかけられるのは目に見えている。
「バームォイギン(3万ドン)でどや!」
車掌は渋々了承。
「なんで不満やねん正規の倍以上やで、一号線はフエのド真ん中通っているやろ、言うた所で停めてや」 ←願望発言
バスと言っても小型バンのTOYOTAタウンエースで、まだ3人しか乗っていない。
20分待って出発した途端にUターンして
分離帯も在る対向車線の客を拾う。
少し位の荷物があるからとて、
バス駅まで来んどころか反対側車線で待つなよ、
ねぇちゃん甘え過ぎちゃうか。
再びUターンして、ダナンに向かう。
分離帯の向こう側まで客探す方もどうかと思うが、よう見てるなぁ危ないで。
客を拾うため民家の有る所はイラつくほど遅いが、
郊外に成ると100km/h近くでぶっ飛ばす。
この辺は、ベトナムに入って直ぐのTienYenの町に行った時と同じだ。
近距離客ばかりで、好き勝手な所で乗り降りしている。
念のため、お客の兄ちゃんにフエの地図を見せ、この太い道は一号線で此処を
通るのかと聞く。
そうだと思うと答えてくれる。
聞いているという事は、着いたら教えてくれと云う事やで
分っているやろな兄ちゃん。
この辺の道沿いは何故か、ところどころ白っぽい土をしている。
石灰の様にも見えるが、気に成っても聞くすべがない。
街に入らぬ内にバスターミナルに着き、此処が終点のフエだと言う。
客も全員降りる。
フロントガラスに置かれたDANANGの看板は何時の間にか裏返されていた。
客が居ないから、半分で打ち切りかよ!
ひとり居座って抵抗するが相手にされない。
7~8人の客引きバイタクに囲まれ、$3でフエの街まで乗せてやると言う。
それで無くとも頭に来ているのに、吹っかけてくる。
バックも勝手に持ち出そうとするので、怒鳴り散らす。
2~3人諦めたが、今度は$2と下げて来た?
「ムイギン=1万ドン≒¥70これ以上払う気ないからなムイギンやで」
残りも散っていった。
土地勘は全然無いが、一応フエのバス駅で横を一号線が走っている。
街は近いはず、駄目でも国道でバイタクを拾えば良い。
客を取り合いしている位だから、バイタクには不自由しないだろう。
一人だけ気の弱そうな若い男が、ターミナルを通り抜け数十メートルも付いて来る。
歩きながら、
『$2』と男。
「ムイギン=1万ドン≒¥70」 とおっさん。
『$1』と男。
無視する。
そして、男は『ムイギン1万ドン≒¥70』
よ~しOK頼むわ。
やっと勝てた気がした。
昨日、DMZ(非武装地帯)ツアーで一緒に成った先生達から
聞いていたホテル(地図)までは、3km以上有った。
遠い、これでムイギン1万ドン≒\70なら安い。
笑みが、こぼれっぱなしだった。
最後にやっと勝てた。
しかもホテルまで迷わずに送ってくれた。
納得のバイタク選びだった。